金型は機械だけでは作れません。
自動化できない部分があるのです。
複数のパーツが組み合わさってできる金型が、最終的にピタリと組み上がるようにするのは人間の手です。手で叩いたり、削ったりして、1000分の1ミリを調整するのです。
だからこそ私たちは、技術者の育成に力を注いでいます。
「職人さんは人を育てるのが苦手」といわれます。
若手の技術者が育たず、需要が減少していることも手伝い、すたってしまった技術もあります。このままで後継者がいなくなり、近い将来になくなることが予想される技術もあります。
こうした技術の損失に歯止めをかけるべく、未経験の技術者でも段階的に高度な技術を身につけられるよう、さまざまな金型加工技術のマニュアル化に取り組んでいます。
どれだけテクノロジーが進歩しても、それを使いこなすのは人間。人と人とのつながりが、技術の世界をさらに広げると私たちは信じています。
スタッフインタビュー:1
「No!」とは決して言わない
私たちの業界では「できて当たり前」という考えが定着しています。我が社も難しいオーダーに対して、決して「NO」とは言いません。お客様が何を求めておられるのか、重視すべきポイントは何かなど、ニーズをしっかりと聞き出し、会社に持ち帰ってスタッフ総出で課題の解決にかかります。優秀な協力工場とのネットワークも最大限に活用します。畑違いの人の意見も積極的に取り入れます。違うパートを受け持つスタッフだからこそ、専門家が見落としがちな盲点が見えてくることもあるからです。難しい課題をクリアできると、大きな達成感を味わうことができます。会社の雰囲気がよくなるし、個々人のモチベーションが上がります。若い人ならなおさら。活気があって、若い人が刺激を受けて育っていける環境づくりをいつも大切にしています。
スタッフインタビュー:2
誤差0に限りなく近づける
私たちの金型は精密機械などに適用されるので精度がいのちです。とはいえ一筋縄ではいきません、例えば、高硬度素材を加工する際は、刃物まで削られて減ってしまうので、それを計算に入れないと誤差が出ます。加工機械そのものが温度や湿度の影響を受けて伸び縮みするので、その日のコンディションを読んで対応する必要があります。精度とスピードを両立させるためには、仕事で培ったノウハウを総動員して、効率的かつ計画的に仕事を進めることが大切です。定められた時間内に、思った通りの結果が出せたとき、つまり自分のこだわりが良い結果と結びついたときは、やはりうれしいですね。寸法の公差(製品検査をクリアできる最大寸法と最小寸法の差)のちょうど真ん中に仕上げられたときは、思わず「やった!」と叫びたくなるほどです。